合気道とその起源
翁先生 植芝盛平 (1883-1969)。
合気道の創始者。
合気道の創立とその精神
合気道は20世紀の初めに開祖・植芝盛平翁によって、武士が培ってきた古武道、とりわけ柔術や剣術、長刀道により着想を得て創立された新武道である。
敵を倒すことが目的である他の古武道と違い、合気道は相手の力を無効化することを目的とする。
合気道は各人の精神とエネルギーを合わせる武道である。両極より生ずる力の衝突を避け、完全なる調和を目指す。この原理によれば、合気道は強弱を競わない武道であり、唯一の「敵」は自分となる。
合気道の精神原理である「非暴力」は、自分を「無」の状態に導く。これによって、どんな性質であれ(静・動、平和・破壊、など)、我々を取り囲む世界全体に近づき理解することができる。
世界における合気道の発展
本部道場は1931年東京に創立され、合気道を初めて実践し教える場となった。1942年、開祖・植芝盛平翁は息子の植芝吉祥丸を本部道場の道主として任命した。
1948年、財団法人合気会を設立した開祖は息子吉祥丸に合気道の諸型の系統化と、日本及び世界におけるより広い合気道の奨励と発展とを託した。それまでは合気道を学べるものは軍人や貴族出身者に限られていたのである。
開祖は道主である息子と内弟子とに本部道場の管理と合気道の教育を託すとともに岩間に移り、1969年4月26日、最期を遂げるまで合気道の教育に努めた。
50年代初頭、合気会は内弟子を世界に送り出した。
植芝吉祥丸 (1921-1999) 合気道二代道主。
植芝守央 現合気道道主。
フランスにおける合気道の発展
フランスに移住した開祖の門人たち
-
1951年 望月稔
-
1955年 阿部正
-
1959年 中園睦郎
-
1961年 野呂昌道
-
1965年 田村信喜
-
その他、小林裕和(1971年より毎年、来仏。)
1955年から57年のあいだ開祖の弟子であったアンドレ・ノケはフランスにおける合気道先駆者の一人であり、合気道の同国における発展に力を注いだ。ノケは1984年GAAN (Groupe d’Aïkido Andrée Noquet) を、1988年GHAAN (Groupe Historique d’Aïkido Andrée Noquet) を創立した。
1962年、村重有相(九段・1895年―1964年)は開祖によってベルギーへ派遣されている。